【第10回】ベトナムの風力発電への投資:洋上風力の開発と2022年以降のFIT価格見通し【図解で分かるベトナムビジネス】

【第10回】ベトナムの風力発電への投資:洋上風力の開発と2022年以降のFIT価格見通し【図解で分かるベトナムビジネス】

風力発電の開発に積極的なベトナム政府方針

ベトナムの風力発電が近年、国内外から注目を集めている。改定第7次国家電力マスタープラン(以下、改定PDP7)によれば、ベトナム政府は風力発電の導入設備容量について、2020年までに800MW、2025年までに2000MW、2030年までに6000MWを開発目標として掲げている。また、発電量に関しては2020年までに国内の総発電量比1.0%、2025年までに同1.2%、2030年までに同2.1%と段階的に引き上げていく方針だ。

FIT価格の引き上げ

風力発電への投資が特に注目され始めたのは2018年10月頃からである。2018年10月、ベトナム政府は風力発電におけるFIT価格を従来の7.8セント/kWhから、陸上風力は8.5セント/kWh、洋上風力は9.8セント/kWhと、FIT価格を引き上げる首相決定(第39号/2018/QD-TTg)を公布した。これにより、2021年10月末までに国家送電網に接続し、商業運転を開始する風力発電所に対しては上記の新規FIT価格が適用されることになった。期限となる2021年11月以降のFIT価格について、ONE-VALUEの調査や分析によれば、洋上風力のFIT価格は維持または引き上げされる見込みが高い。

案件開発における風況測定

風況の観点から風量発電のポテンシャルが高い地域は南中部沿岸地方のニントゥアン省、ビントゥアン省及び、南部メコンデルタ地方のベンチェ省、チャビン省、ソクチャン省、バクリエウ省、カマウ省が挙げられる。また、投資家は開発にあたり、商工省通達(第32号/2012/TT-BCT)の第5条に基づき、風況測定を少なくとも12か月間実施し、その結果を人民委員会に報告しなければならない。

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風力発電の案件が集中する地域

ベトナム商工省の公開情報に基づいて省別の風力発電案件の分布をみると、2019年1月時点でビントゥアン省では1500MW、ベンチェ省とソクチャン省では1000MW以上の風力発電の案件が既に申請されているという。また、ベトナム電力グループ(EVN)の統計によれば、2020年1月までに既に商業運転している9つの案件に加えて、31の案件(合計1645MW)が電力購入契約(PPA)を締結済みであるが、商業運転をしていない。更に、2025年までの電力マスタープランには60の案件(2700MW相当)が追加済みであるとされ、PPAが未締結であるという。

今後の見通し

現在、2021年10月末までのFIT価格は見通せる状況にあり、2021年10月までに送電線に接続し、商業運転を開始できるかが1つのマイルストーンとなるであろう。今年2020年後半に発表される第8次国家電力マスタープランでは風力発電の開発目標を「2025年までに6000MW~1万1000MW程度」までに引き上げるという議論も政府内にあると現地報道では報じられており、風力発電の開発に積極的な方針は維持される見通しである。特に、前述したように、政府は洋上風力の開発を重視する方針があると見られ、洋上風力のFIT価格は2021年11月以降も維持または引き上げられる可能性が高い。

また、ONE-VALUEの認識によれば、外資系企業と共同で風力発電といった再生可能エネルギー案件を開発したいというベトナムのローカル企業は非常に多く、特に日系企業による出資または案件買収を歓迎する動きが強まっている。個別の具体的な案件の詳細については是非、弊社ONE-VALUEまでご連絡頂ければ幸いである。

By |2020-07-11T09:24:27+00:007月 11th, 2020|エネルギーニュース, ニュース, 建設ニュース|0 Comments