太陽光の世界市場、2019年に再加速、最安記録も更新

太陽光の世界市場、2019年に再加速、最安記録も更新

大場 淳一=日経BP総研 クリーンテックラボ

 

英国の調査会社Wood Mackenzieは7月25日、世界全体で2019年に導入される太陽光発電の設備容量が前年比17.5%増の114.5GWとなり、これまでの記録を更新する見通しだと発表した(

図●太陽光発電の主要地域における年間需要推移
(2015~2024年、出所:Wood Mackenzie)

同社が刊行した最新の調査報告書「グローバル・ソーラーPV市場見通しアップデート:2019年第2四半期」によるもの。

同報告書によると、太陽光発電の市場は2018年に停滞した後、現在は再び力強い成長の途上にあるという。年間導入量は、2020年代の初めまでに125GW程度まで増加すると見込む。

同社でシニア・リサーチアナリストを務めるTom Heggarty氏は、「中国は2017年に53GWでピークとなり徐々に減速しているが、世界全体での市場成長は続くだろう。太陽光パネルの調達でさらに競争的手法が導入されることで、より持続可能な形で年に30~40GW程度の導入が進む」と分析している。

年に1~5GWの太陽光を導入する諸国が、太陽光市場の成長エンジンになる。2018年にそういった国や地域は7カ所あった。それに加え、サウジアラビア、フランス、台湾など12カ所が加わることで2022年までに19カ所まで拡大するという。

太陽光で世界最大の市場である中国では、最近競争入札が実施され、プロジェクトとしてはこれまでで世界最大の22.8GWが落札されている。

南米のブラジルでは、6月に実施された競争入札「A-4」において、北東部のセアラ州ミラーグレス(Milagres)でEnerlifeとLightsource BPが共同で進める2020MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)プロジェクトが16.95ドル/MWh(1.695セント/kWh)で応札した。

この価格は、2017年にメキシコでNeon社が主導した「Pachamama」プロジェクトの競争入札価格18.93ドル/MWh(1.893セント/kWh)を約2ドル下回り、太陽光発電の最安コストの世界記録を更新したという。

「競争入札は、グローバル太陽光市場の多くで引き続き成長のけん引役となるだろう。2018年には81GWのプロジェクトが応札したが、2019年には90GWの契約が応札されると見込む」(Heggarty氏)。

By |2019-07-30T10:02:25+00:007月 30th, 2019|ニュース, 建設ニュース|0 Comments